母の呼び掛けにやぶから声 「斜面を滑り落ち動かずじっと」 新潟小6男児保護

遭難.jpg 10日午後6時10分ごろ、新潟県上越市柿崎区の米山(標高992メートル)を家族4人で下山中だった同市内の小学6年の男児(12)の行方が分からなくなった。同日夜に母親から110番があり、11日朝から県警と消防など約25人が捜索したところ、同日午前6時半ごろ、登山口から約100メートル登った登山道の脇で約12時間ぶりに見つかり、無事に保護された。男児に大きなけがはなかった。

 捜索隊が同日午前6時から山に入って約30分後のことだ。母親が突然、大きな声を上げた。自分の名前を呼ぶ声に気づいた男児の声が聞こえたという。

 男児の声がするのは、登山道の脇のやぶの中だった。数分間、何度となく会話のやりとりが続いた。するとやぶの中から、自力で登山道までたどりついた男児が姿を現した。

 男児は母親と約12時間ぶりの再会を果たし抱き合った。母親から飲み物とパンを受け取ると、おいしそうにほおばった。男児の元気な姿に、捜索隊からはほっとした様子で拍手が送られた。

 父親は報道陣の取材に対し「(無事で見つかって)よかったです」と言葉少なに涙ながらに答えた。男児は両親の車に乗り込み、帰宅したとみられる。

 上越署によると、男児は家族4人で10日午前11時ごろ、水野林道登山口を出発し、山頂に到着、午後2時ごろ下山を始めた。途中から2人ずつに分かれ、男児は母親を追うように後ろを歩いたが2人とも道を間違えた。

 男児は2人を捜しに来た父親といったん合流したが、母親は見つかったものの男児は行方が分からなくなった。同署によると男児は「疲れたので休もうとしていたところ、斜面から滑り落ちてしまった。動かずにじっとしていた」と話したという。男児は食べ物や飲み物を持っておらず、何も口にしていなかったという。

 上越署では男児が自力で下山した場合に備え、10日夜から11日午前5時半ごろまで、水野林道登山口、下牧登山口の2カ所の駐車場に赤色灯を回転させたパトカーを1台ずつ待機させていた。
<毎日新聞>より